2008年3月5日水曜日

植物たちは会話している

 京都大学生態学研究センターが虫に食べられた植物が自ら出す化学物質で虫の天敵を呼び寄せて、我が身を守るという論文を発表した。
 キャベツはコナガ虫に食べられるとSOS信号を発信する。するとコナガ虫の天敵コナガコマユバチが飛んで来て、コナガ虫に寄生して食べてしまうというのだ。
 植物が発信する信号は「みどりの香り」と呼ばれる独特のにおい物質らしい。トウモロコシやリママメも同じSOS信号を出しているそうだ。
 こうして身を守る以外にも化学物質を使って領域を守ったり、ライバルを追い出したり、会話でコミュニケーションも取っているというのだからおもしろい。
 植物と植物が、植物と昆虫がそれぞれ会話をしているなんて想像するだけで楽しくなる。どんな声をしているんだろうか。ディズニーのミッキーやドナルドのような子供が敏感に反応する声なのかもしれない。

 以前、紹介した「見るだけで幸せになれる『魔法の絵本』」を描いた中河原啓さんは21歳の時に突然植物と会話ができるようになったという人だ。だから、植物の声が聞こえる人も中にはいるのだろうが多くの普通の人には植物や昆虫の声は聞こえない。
 「聞こえても困る」ことも結構多いような気もする。僕も以前なら聞こえてもよかったが、最近は「サラダ」というものを率先して食べるようになったので、かなり困る。「良く噛んで食べなよ」とか「どう、おいしいかい?」とか訊ねられるとかなりめんどくさい。しゃべらないのにカニの顔をじっと見ているだけでだんだん不気味に思えてきて食欲が損なわれてくるので、食べる機会がある時には顔を見ないようにしているのだから。

 日本は広いもので、中河原さん以外にも植物の思いがわかるという人の話を先日聞いた(僕自身はまたまた「シンクロ現象」だ~と思った)。
 盆栽歴50年の日本一といわれる名人の話で、この人は植物と長年親密につきあってきてわかったことが3点あるそうで、それは
 1、植物は人間のことが好きで好きでたまんないらしい。
 2、人間から「おはよう」とか「こんにちは」とか声をかけられるととってもうれしいらしい。
 3、人に「えらいねぇ」とか「よくやっているねぇ」とかほめられると、この人のためなら死んでもいいと思うぐらい幸せを感じるらしい。
 ・・・とのことだ。
 だから街路樹や観葉植物に「元気~」「おはよう」「こんにちは」とか声をかけるとすっごく喜ぶらしい。 
 逆に嫌な言葉を投げかけるとすぐに弱っていく。それ以上に早く枯れてしまうのは、「無視されること」なのだそうだ。
 植物は他の場所に生えている植物たちや空ともつながっているので、天気でその人のことを応援してくれたり、自然界がその人を見守ってくれることにも結びついていくらしい。

 「これはいいことを聞いた」ということで、最近は僕も街路樹に「元気~?」とかいいながら歩いている。まあ、人がたくさん歩いているところではさすがに控えるようにしてるけど、いつの日か、ミッキーマウスの声で植物から返事が戻ってこないとも限らない。まあ、その日を気長に待つこととしよう。

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